僕は46歳で、そのとき中央新幹線
(今で言うリニアモーターカー)のグリーンシートに座っていた。
高速のスピードで走る新幹線ながら、
リニアではならの揺れの少なさ。
時速350kmでは外の景色を見る楽しみも少なくなって、
品川から乗車した僕が
せいぜい見ることができるのは富士山くらいだけで
代わりに車内で楽しむのは音楽かゲーム、
停車駅の近くの「おたべ」の広告も新幹線の移動と共に変わる
最新式なもので旅情なんて言葉も死語になってしまった。
ただそれを見てやれやれまた草津かと僕は思った。
新幹線が次の停車駅の案内を始めると
スピーカーからBGMが流れ出した
誰かが弾いたギターによるtailaの「消しゴム」だった
この曲はどこかの文房具メーカーとの
タイアップでヒットした作品で
日本だけでなく全世界でヒットした作品
坂本九に続いてビルボードの一位をとったもので
当地が出身のならではの選曲だ
そしてそのメロディはいつものように僕を混乱させた
いや、いつもとは比べ物ないくらい
激しく僕を混乱させ揺り動かした。